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黒い雀たちの神話

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黒い雀たちの神話
作:小池一夫 画:芳谷圭児

●あらすじ(てきとう)
麻雀稼業から足を洗い、劇画作家になろうと思っている主人公・池谷一郎(いけがやいちろう)の述懐による短編集。

もともとは小説で、それが漫画化されたものだそうです。その漫画版も、この双葉社版の前にオリオン版があるのですが、両者の内容は微妙に違うみたいです。ややこしいなあ。
そしてこれがもっとも興味深い点なのですが、小池一夫・叶精作「下駄を履くまで」と主人公が同じです。内容も、「下駄を~」所収の話と全く同じ筋書きだったり、関連性を感じさせたりする物語が収録されています。叶せンせいの描く池谷は眼鏡美男子ですが、芳谷せンせいの描く池谷はハードボイルドな中にも笑顔が高校生無頼を思わせたりと、両先生のセンスの違いも気になるところ。
膨大な数ある小池作品でも、同じキャラが(形式的とはいえ)複数の漫画で主人公を張るというのは極めて稀なケースで、そういう意味でも特殊な漫画です。

その主人公が劇画家になろうとしていたり(しかも採用通知はさいとうプロから来てる)、学歴が中央大学法学部卒だったり、雀荘のアシスタントの名前が「小堀」だったり(おそらく「麻雀新選組」繋がり)と、分かる人にはすぐに「池谷=小池一夫」ということが分かるようになっています。
最後の話「冥府麻道」は、「子連れ狼」を引用して池谷の過去の闘牌をなぞるというすごい筋書きとなっています。もちろん誤字じゃないよ。

滝沢解・芳谷圭児の「男たちの神話」とはたぶん無関係です。
本作には、主人公が自分のポスターを見ながら自慰にふけるといったおもしろ描写はもちろん、いつもの小池芳谷四大奇書のような野放図感は基本的になく、渋い作りになっています。
いわゆる小池ターム的な麻雀漫画を期待している方は「牌鬼無頼 ボクは殺曲家」や「花引き」をどうぞ。

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